【ポイント1】
現在の住まい環境を見直そう
戸建ての持ち家にお住まいの場合、高齢になってくると1階と2階の行き来がしづらくなったり、使っている部屋は一部だけでその他の部屋や庭などの掃除などが大変といったことがよく聞かれます。そういった場合に、老後を快適に過ごすための住み替えという選択肢が生まれてきます。
住み替えのポイントは「費用面、安全面、そして“好み”」
費用面とは、住み替え時や住み替え後にかかるお金のことで、現在の貯蓄および収入で継続的に住み続けることができる場所なのか、ということです。
安全面は、住み替えをする住宅を管理する会社の経営状況などを見極めて、倒産して追い出されてしまうリスクを回避するための情報収集も必要になってきます。
住環境面での安全性という意味でも、周辺環境や治安など入居前に「長く暮らしていける地域かどうか」も判断基準として重要な要素になるでしょう。
そして、高齢になると健康面でも不安がでてきがちなもの。近くに病院がある場所や地域コミュニティに参加しやすい雰囲気があるか、なども知っておきたいですね。
最後の“好み”についてですが、住まい選びでは特に間取りや住宅の色使いなど、ご自身の感性や価値観にあうかどうかも快適に暮らすためのポイントとして押さえておきましょう。
住み替えの動機 | 住み替えの方向性 |
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子どもが巣立ったため広さをもて余す、手入れの煩わしい戸建から、相続税の負担も考えてコンパクトなマンションへ住み替えたい。 | コンパクトな生活 (賃貸住宅など) |
急坂の上にある買い物が不便な自宅から、バリアフリーでアクセスの良い駅の近くに住み替えたい。 | 利便性の向上 |
リタイアを機に、郊外のマイホームから、文化施設や医療機関が充実する都心へ移りたい。 | 都心への回帰 |
子どもや孫たちの近くで、お互いを支えあいながら、楽しく、安心して暮らしたい。 | 子世帯との 近居・隣居 |
老朽化した戸建から、セキュリティの充実した免震マンションへ住み替えたい。 | 安心・安全な住まい |
【ポイント2】
住み替え先の候補地とライフスタイルのイメージ
住み替え候補地がいくつか絞れてくると、実際にどのような暮らしをしたいかイメージしながら下記の条件についても優先順位を決めて候補地の絞り込みを検討しましょう。
買い物のしやすさ | 近くにスーパーやドラッグストアがあるか |
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交通の便利さ | 駅やバス停が近くにあるか |
親族との距離 | 何かあったときに頼れる距離にいるか |
周辺の公共施設 | 住民との交流や地域行事などに参加しやすい環境か |
災害時の避難場所 | 地震などの災害時に避難しやすい場所か |
趣味や遊びの場 | 趣味のサークルや遊びなどのコミュニティがあるか |
【ポイント3】
万一のサポート
介護が必要になった場合などに備えて、日常的な介護・介助などが受けられるサービスが付いた住宅を住み替え先に検討しましょう。
「シニア世代の住まい」の特徴
民間施設
介護付き有料老人ホーム | 入居時に自立であること、要介護認定であることなど心身の条件あり。生活介護と介護サービスが提供され介護費用は介護度に応じて固定 |
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住宅型有料老人ホーム | 介護付き有料老人ホームと同様だが、介護は外部から自分で選んでサービスを受け、費用は利用分の積算となる |
サービス付きシニア世代向け住宅 | シニア世代に適した設備の賃貸住宅で、安否確認と生活相談が主なサービス。食事や介護は原則別途契約 |
認知症シニア世代グループホーム | 認知症と診断された要支援2以上の方が対象。5~9人の少人数ユニットで共同生活しながら介護を受ける |
災害時の避難場所 | 地震などの災害時に避難しやすい場所か |
公的施設
特別養護老人ホーム | 要介護3の人が対象。日常生活上での介護や生活支援を受けられる。安価なため待機者も多い。 |
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老人保健施設 | 要介護1の方が対象。自宅に戻るためのリハビリ施設のため、3ヵ月程度が入所期間 |
療養型医療施設 | 要介護1以上の方で常に医療対応が必要な人が対象。※将来的には廃止の方向 |
ケアハウス | 身の回りの事が自分でできる方が対象。原則として介護サービスはつかないので、必要に応じて個別契約となる |